パタゴニアで「春が来た」?
辿り着いた。パタゴニア。
ここがホテル・モンテカルロ。椎名誠さんが止まった宿。その前で写真をパシャリ。私は半額で泊まれる別の宿で寝たのだが…ともかく今回の旅の目標は達成した。米大陸最南端の都市(とされる)プンタアレナスの地を踏んだ。
ここに来る前日、プエルトモンを発った。長い一日だった。どの宿も安くない。観光するにも季節が良くないようだ。そう考え翌日の飛行機まで夕方から空港で待機した。空港のロビーが宿だ。バスの運転手も「ここは安全。トイレもタダ」などと言っている。暖房付き。インターネット完備。ジュース一本300円近くするなど、物価は異常だが…
飛行機のテイクオフは朝8時半ごろ。それまでゴロゴロ。真冬の空港は暖房が効いていても寒い。金属製のベンチに寝転がると冷たさが身に染みる。あまりよく眠れないままだった。深夜(日本の真昼間)には吉本新喜劇の生中継を拝見。寝んのか思たら寝えへんのかい!と自分に突っ込んだ。寒さ対策には笑いで腹筋を刺激するとええとわかりました。
翌朝、「SKY」社なるチリのLCCに乗りプンタアレナスまで2時間ほどの空の旅。テイクオフと同時に意識もオフ。起きたら着陸寸前だった。
南極に近いプンタアレナス。7月は真冬だ。外に出るのには気合が必要。
う…何とかなる寒さだった。
大阪の真冬の寒い一日という感じ。ただし風が吹くと吹っ飛ばされそう。そして瞬間的な寒さを感じる。
空港から市内へは乗合タクシーがマイクロバスの2択。マイクロバスは5000チリペソ(800円弱)。このバス、住所を教えると家でも宿でもどこでも玄関まで乗せてくれる。ただしようわからんタイミングでエンストを起こす。幹線道路のど真ん中でエンストしたり、蛇行して道端で休んだり。私の周りにはデッかいおっちゃんだらけ。原因の一部かもしれない。
宿に着いた。古いペンションを思わせる建物。よう喋るねえちゃんと、眠そうなにいちゃんが従業員だ。閑散期なのだろう。全く気合の入っていない雰囲気だ。ここに延泊しよう。テキトーな雰囲気が気に入った。
さあ聖地巡礼。とばかりに冒頭のホテル・モンテカルロを拝みに行く。町一番の繁華街に位置していた。(人通りはまばら)任務を遂行した私はもうぶらぶら歩くしかなかった。
夕方近くになるとその繁華街がにぎやかになってきた。「冬まつり」が行われるらしい。屋台で焼き鳥のええにおいがする。このクソ寒いのにリオのカーニバルよろしく、薄着で踊る人々。この日は土曜日。翌日の朝6時ごろまでどんちゃん騒ぎは止まなかった。
シーナさんが好むというパタゴニアのラム肉を捕獲しに行く。ただこういう観光地、それなりの出費は覚悟した。まともなレストランに入って、子羊のなんとかを注文。
脂っ気がないのに柔らかい。値段相応に美味いものを食べた。良い気分になった。
この夜、宿に帰るとアルゼンチン人のベレー帽おじさんとチリ人のあんちゃんがステーキ談義をしていた。「ステーキ(アサード)はアルゼンチンが一番や!」と赤ら顔で豪語するおじさん。気持ちよさそうでございます。そして鶏の丸焼きがオーブンから登場。ワインも飲めという。どんな名物よりもこの鶏が一番うまかった。やはりアルゼンチンアサードは最高!
この地には3泊。真冬には見どころも少なそう。でも何となくこの町が気に入った。