キトでへとへと
さてダラダラ過ごしたボゴタ。わずか4日の滞在であった。宿の人たちの優しさがとにかく身に染みた。宿から空港までは公共交通機関を使った。宿は坂の上にあり、その下には国立美術館がある。その前の駅から乗車した。過去に旅した人たちのブログを何度も読んだ。何度か乗り換えが必要という情報が多数。私はあまり下調べをせずに、駅の掃除のお姉さんに尋ねることにした。お姉さんは丁寧にもスマホで調べようとしてくれた。そうこうしているうちに、空港行きらしいバスが到着。エイヤと乗り込んだ。時間に余裕はあるのだ。間違えたって引き返せばいい。お姉さんありがとう。
バス自体はとても快適。あまりの快適さに爆睡状態に陥る。気が付いたら空港だった。
ボゴタの空港。それはとても近代的だった。そしてきれいである。国内線と国際線の搭乗エリアが真っ二つに分かれている。土産物屋を覗いて回ると、知らないうちに国内線エリアに迷い込んでいた。
私が利用したのはWingoなる格安航空会社。ボゴタからキトまで10000円前後か。格別に安いとはいえない。
コロンビア入国以後はバスでの移動にこだわりたかった。ただ、出国のチケットがないとコロンビア入国を拒否されるかも…と恐れた私。かくしてWingo社のお世話になることに決めたのだ。
このWingo社、Webチェックインをして、航空券を印刷し持参。それを求めてくる。さもなくば、追加料金を徴収されてしまう。泊まった宿のスタッフは印刷機を修理してまで印刷に応じてくれた。感謝感謝。
機内は一般的なLCC。サービスは有料で席の間隔はかなり狭い。大きなトラブルもなく無事に目的地に着いた。エクアドルのキトである。
入国時に難しい質問は無かった。キトの空港もボゴタ同様きれいである。近年、新空港として開業したそうだ。
「タークシ。タクシー…」
運ちゃんたちの低い声。
出口付近にはタクシーが獲物を待ち構えている。中南米でよくある光景だ。私は迷わず公共交通機関を選択する。
市街地まで2ドル。その値段からすぐに着くものと思っていた。
ところが、もはや中距離路線。1時間以上の旅路だった。急峻な山道をいく。長野県などの山間部を思い出した。どことなく懐かしい光景。沿道には農業が行われている。
あたりも真っ暗になったころ、街の明かりが見えてきた。キトだ。市街地だ。
バスターミナルでコーヒーを立ち飲みし、旧市街までの移動手段を訪ねる。どの人も親切に教えてくれる。地図をくれたおっちゃんもいた。こうしてセントロ・ヒストリコにある宿に到着。夜9時前だった。宿から見える景色、最高だった。街頭テレビあちこちでサッカーのコパアメリカ、ペルー対チリ戦が映っていた。
しかし…
2泊目を管理人に断られてしまう。
朝早く起きてしまう爺さん体質が良くなかったのか…
「あんた朝早いんや。寝られへん。」
と言われてしまった。本当に申し訳ない…24時間対応フロントの宿。それを選んでいるのだが…こういう事もあるのだ。今後はチェックイン時に私の早起き病について説明して誤解のないようにすることとします。
さらに言い訳を重ねる。この日から腹がゆるくなり、ほぼ1時間おきにもよおす事態となっていた。
これがこの後の旅にも影響することになる。
旧市街は美しく、人も優しいそんなキト。中年にして自分の早起き体質が招く災いを省み、緩む腹を気にしながら、次の宿探しに出る事となった。
本当にすみません。