グアダラハラ、出発はハラハラ！？

　「空港まで17ペソですよ。少し歩きますが…」

同僚からのこの言葉が全ての始まりだった。グアダラハラというメキシコの街に住む私。空港までの私はそのグアダラハラの郊外に住み、仕事をしている。この度、旅をすることになった。ひと月の休みが取れたのだ。17ペソと言えば約100円。ジュース一本で行ける値段なのだ。しかし…

　メキシコ・グアダラハラの空港までのバス。それはあまり一般化された乗り物ではないらしい。インターネットで検索しても、コレという決め手は見つからなかった。路線バスが近くまでは行くらしい。でも「空港行き」のシャトルバスのようなものではないのだ。

　グアダラハラに住む人。その中でも空港を使うような経済状態の人。彼らは自動車を持っている場合がほとんどだと思う。自家用車が使えなくてもタクシーを使える階級ともいえる。また外国人観光客がグアダラハラに来る例はそんなに多くない様子。そうした状況ゆえに空港までの公共交通機関は整備されないのだろう。

　自家用車のない私。ケチな大阪人の私はタクシーなんか使わへん。そう決めて路線バスに乗り込む。

f:id:Mori-sensei:20190701080348j:plain — グアダラハラ旧中心街。タコス屋台が並ぶ典型的なメキシコの下町。

　この旧中心街でバスを乗り換える。直前のインターネットの情報では路線バス「176番」に乗れば空港に最接近できるらしい。そう思ってここでバスを待つ。すると「aeropuerto（空港）」などというバスを発見。あろうことか空港行きを発見してしまった。しかし手を振ってもなかなか止まってくれない。運転手は手招きしている。「エイ！」と掛け乗った。

「これは空港まで行くん？」

「違う。逆方面や。反対側の道で待っときや。」

ということで運ちゃんの指示を聞き、反対側の道で待つことに。

　そこへやってきたのは176番のバス。事前に調べ、空港に最接近する（らしい）バスである。大人しく「aeropuerto」行きのバスに乗っておけばよかったのに…

　この時の私は「まあ大丈夫やろ」という変な自信から176番に乗り込んでしまった。

　乗り込んでからも最接近する場所を見極めるべくグーグルマップを常に起動。順調に接近しているはずだった。でも途中で幹線道路を外れてしまう。脇道に入ってしまったのだ。そこからはこのバス、蛇行を繰り返す。