アレキパを歩けば
リマに着いたのは朝の8時頃だった。
早速その日に泊まる予定の宿に向かう。荷物を預かってもらえるらしい。中心地サンマルティン広場から徒歩30秒というような場所。ここで一泊800円くらいだった。ちなみに朝食食べ放題。(食べ放題となると「食べなきゃ損」という心理が働く。意地汚いが…故に太る)普段は食い意地が張った自らの性格を考慮して、朝食付きの宿は安くても選ばないようにしている。しかし今回ばかりはこの好条件を選ばないわけにはいかなかった。しかも宿は清潔。よくあるバックパッカー宿のように浴室ぐちゃぐちゃ、食べ残しが散乱…などと言う事もなかった。従業員も本当に親切だった。
たまたまドミトリーの寝台が隣になった男性。彼は日本人だった。休暇をまとめ取りしてペルーを旅しているらしい。その日が彼の旅の最後の夜だった。お互いにこの旅の印象などを語り合った。そして本を交換。彼は「もう使わないから」と「地球の歩き方」をくれた。私はちょうど読み終わった小説を渡した。この小説も7月に旅をする30代の男が主役。自分を投影し感情移入して読んだ本だった。本の交換。私が旅行中にしたかったことの一つであった。
翌朝、一通りの運動をこなした後、朝食バイキングで胃の運動を行った。
昼過ぎのバスに乗り、ペルー南部の街、アレキパを目指す。13時過ぎに出発し翌朝6時過ぎに到着。夜行バスである。
アレキパに着いた。宿は観光地の中心にある。グーグルマップによれば徒歩だと少し距離があるらしい。こうなりゃタクシーだ。値段も300円強と良心的な価格。知らない土地ではタクシーも選択肢!
アレキパはヨーロッパ風の建物が並ぶ美しい街だ。そして四方八方から…フランス語。宿の管理人夫婦も客の大半も何故かおフランスのお方。
街角のパン屋のおっちゃんと立ち話したら、「ああそやな。フランス人はアレキパが好きみたいやわ。物価安いし、過ごしやすいし、ヨーロッパ風やしな。」と語っていた。そしてそこへやってきたのはベネズエラ人のあんちゃん。クッキーをおっちゃんと私にくれながら、いろいろな事を教えてくれた。やはり彼も祖国の現状を嘆いていた。
休暇を満喫する人(私も…)と祖国から出ざるを得なかった人。同じ街に色んな人が混在している。現実を知った今、世の中で困っている人に何かできないか…と考えてしまった。
このアレキパと言う街。とても過ごしやすそうだ。物価も安く市場もある。延泊も頭をよぎった。
しかし、南へ南へ…その思いの方が勝った。次はいよいよチリへ突入!
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